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Episode 108

再現可能な運用 ― 「あの人がいないと回らない」をなくす経営術

12分 5チャプター 日本語
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Chapter 1

オープニング ― あの人がいないと会社が止まる?

タカシ

皆さんこんにちは、タカシです。今日のテーマは「再現可能な運用」。経営をしていると必ずぶつかる問題なんですが、ミカさん、「この人がいないと仕事が回らない」って状況、想像できますか?

ミカ

こんにちは、ミカです。ああ、それはすごく分かります。前の職場でも、ベテランの先輩が休んだだけでチーム全体がパニックになったことがありました。

タカシ

まさにそれです。実は驚くべきことに、マクドナルドは1950年代からこの問題を解決していて、世界4万店舗以上で誰が働いても同じ品質のハンバーガーが出てくる仕組みを作り上げたんです。

ミカ

へえー、4万店舗で同じ品質!それってすごいことですよね。どうやってそんなことが可能になるんですか?

タカシ

その秘密が、今日のテーマ「再現可能な運用」なんです。特定の人に頼らず、誰がやっても同じ成果が出る仕組みをどう作るか。今日はこれを徹底的に掘り下げていきましょう。

Chapter 2

再現可能な運用とは何か ― 属人化という経営リスク

タカシ

まず「再現可能な運用」の定義から整理しましょう。これは簡単に言うと、特定の人がいなくても同じ品質で業務を回せる状態のことです。反対の状態が「属人化」ですね。

ミカ

属人化...つまり「あの人しかできない仕事」がたくさんある状態ってことですよね。それって、ある意味その人が優秀ってことじゃないんですか?

タカシ

いい質問ですね。確かに個人としては優秀かもしれません。でも経営の観点では、属人化は4つの大きなリスクをもたらすんです。事業継続リスク、品質低下リスク、イノベーションの停滞、そして働き方改革の阻害です。

ミカ

4つもリスクがあるんですか。事業継続リスクは分かりますけど、イノベーションの停滞ってどういうことですか?

タカシ

考えてみてください。ある人が定型業務をずっと抱え込んでいると、その人は新しいことに挑戦する時間がなくなりますよね。実は標準化して定型業務を誰でもできるようにすることで、優秀な人材が創造的な仕事に集中できるようになるんです。

ミカ

なるほど!標準化って創造性を奪うものだと思ってましたけど、逆に創造性を解放するものなんですね。それは目から鱗です。

Chapter 3

標準化の3ステップ ― 見える化・ルール設計・仕組み化

タカシ

では具体的にどうやって再現可能な運用を実現するか。ステップは3つあります。まず第一歩は「見える化」。現在の業務フローを詳細に書き出すことです。

ミカ

見える化ですか。でも普段やっている仕事って、なかなか言語化しにくくないですか?自分でも無意識にやっていることが多いと思うんですけど。

タカシ

まさにそこがポイントです。だからこそ、第三者が横について「今何をしましたか?」と一つひとつ聞きながら書き出すのが効果的なんです。本人が当たり前にやっている判断や手順こそ、暗黙知として埋もれているんですね。

ミカ

たしかに、自分では意識していない「コツ」みたいなものってありますよね。それで次のステップは?

タカシ

第二ステップは「ルール設計」です。見える化した業務の中から、再現性が高くかつ効率的な方法を選んでルール化します。ここで大事なのは、作業効率が優れていることと、万人が再現できることの両方を満たすことです。

ミカ

あ、つまりスーパーベテランの神業みたいな手順じゃなくて、普通の人でもできる良い手順を標準にするってことですね。

タカシ

その通りです。そして第三ステップが「仕組み化」。ルールをITツールやシステムに組み込んで、自然とルール通りに業務が流れるようにする。松竹さんの事例では、営業活動にITツールを導入して情報共有を仕組み化したことで、案件進捗の一元管理とスピード向上を達成しました。

ミカ

システムに組み込めば、「やり忘れ」とか「自己流に戻る」というのも防げそうですね。人の意志力に頼らないのがポイントなんだ。

Chapter 4

よくある失敗パターンと実務のコツ

タカシ

ここで、よくある失敗パターンもお話ししておきましょう。一番多いのが「マニュアルを作って終わり」というパターンです。実はこれが最大の落とし穴なんですよ。

ミカ

あー、分かります。引き出しの奥に眠っているマニュアル、見たことあります。作った時は立派だったのに、半年後には誰も見てないっていう。

タカシ

まさにそれです。マニュアルは生き物なんです。業務が変われば更新が必要。だから「誰が」「いつ」「どのタイミングで」更新するかのルールも一緒に決めておかないといけません。

ミカ

マニュアルの運用ルールも標準化が必要ってことですね。他にも失敗パターンってありますか?

タカシ

もう一つ多いのが、全業務を一度に標準化しようとすること。これは現場が疲弊します。まずは「この人がいないと回らない」業務、つまり属人化リスクが最も高いものから着手するのがコツです。

ミカ

優先順位をつけるんですね。あと、現場の人が「また上から余計な仕事が降ってきた」って思わないようにするにはどうしたらいいですか?

タカシ

素晴らしい視点ですね。ここが3つ目の失敗パターンに繋がるんですが、現場の声を無視した机上のルール設計はほぼ確実に形骸化します。実際に手を動かす人と一緒にマニュアルを作る。これだけで定着率が全然違ってきます。

ミカ

押し付けじゃなくて巻き込みですね。当事者が自分で作ったルールなら、自然と守りたくなりますもんね。

Chapter 5

クロージング ― 明日から始める再現可能な運用

タカシ

では最後に、リスナーの皆さんが明日からできるアクションをまとめましょう。まず、自社で「この人がいないと回らない」業務を3つリストアップしてみてください。

ミカ

3つだけでいいんですか?もっとたくさんありそうですけど。

タカシ

さっき言った通り、全部やろうとすると失敗します。まず3つ。そしてその中で最もリスクが高いものから、手順を第三者が読んで実行できるレベルで書き出す。書いたら実際に別の人にやってもらって検証する。

ミカ

見える化、ルール設計、仕組み化の3ステップを小さく始めるってことですね。今日の話を聞いて、標準化って守りの施策だと思ってたけど、実は攻めの経営戦略なんだなって感じました。

タカシ

その通りです。再現可能な運用は、組織を強くし、人材の力を最大限引き出すための土台です。皆さんもぜひ、自分の会社に当てはめて考えてみてください。それでは今日はここまで。ありがとうございました。

ミカ

ありがとうございました!次回もお楽しみに。