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Episode 110

改善(カイゼン)― 小さな一歩が会社を変える

13分 5チャプター 日本語
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スクリプト

Chapter 1

オープニング ― なぜ「改善」は世界語になったのか

タカシ

皆さんこんにちは、タカシです。今日のテーマは「改善」、英語でもそのままKaizenとして使われている、日本発の経営コンセプトについてお話しします。

ミカ

ミカです。改善って英語でもKaizenなんですね。日本語がそのまま使われるって、すごいことですよね。

タカシ

そうなんです。実はカイゼンの父と呼ばれる今井正明さんはこう言っています。「会社のどこかで何かしらの改善がなされない日が一日もあってはならない」と。つまり、改善は毎日やるものなんですね。

ミカ

毎日ですか。大きな改革を一発でやるイメージがありましたけど、そうじゃないんですね。今日はその改善の本質を深掘りしていきましょう。

Chapter 2

改善の基本 ― 3M削減と5Sの考え方

タカシ

改善の出発点として、まず「3M」という考え方があります。ムリ、ムダ、ムラ。この3つを見つけて取り除くことが、改善の基本中の基本なんです。

ミカ

ムリ、ムダ、ムラですか。ムダはなんとなくわかるんですけど、ムリとムラはどう違うんですか?

タカシ

いい質問ですね。ムリは能力以上の負荷をかけること。例えば一人に3人分の仕事を押しつけるようなケースです。ムラは品質や仕事量のばらつきのこと。月初は暇なのに月末だけ残業が爆発する、みたいな状態ですね。

ミカ

ああ、それは身に覚えがあります。月末に集中する仕事って多いですよね。それもムラなんだ。

タカシ

そうです。そしてもう一つ重要なのが5S。整理、整頓、清掃、清潔、しつけ。トヨタでは「ものを探す時間は最大のムダ」と言われていて、5Sはそのムダを排除するための基本的な手法なんです。

ミカ

ものを探す時間がムダって、確かにそうですね。デスクが散らかってると書類探すだけで何分もかかりますもんね。デジタルのファイル整理にも当てはまりそう。

Chapter 3

業界を超えた改善の実践事例

タカシ

ここが面白いところなんですが、改善って製造業だけの話じゃないんです。例えばイトーヨーカ堂はトヨタ式カイゼンを小売の売場運営に持ち込みました。バックヤードの整理整頓や総菜の販売方式を変えて、店舗の効率を大幅に上げたんです。

ミカ

へえ、スーパーでもカイゼンが使えるんですね。工場のイメージが強かったので意外です。

タカシ

さらに驚くのが、アメリカのボーイング社でもカイゼンが導入されていることです。ワシントン州の工場で、職人が個々にベストを尽くすやり方から、チーム全員で最善の方法を見つけ出すカイゼン方式に切り替えたんですね。

ミカ

ボーイングでも!日本の考え方がアメリカの航空機メーカーで使われてるって、なんだか誇らしいですね。でもそれって、改善は業種を問わず使える普遍的な考え方ってことですよね?

タカシ

まさにその通りです。改善の本質は「今のやり方を少しでも良くしよう」という姿勢そのものなので、IT企業でも飲食店でも、どんなビジネスにも当てはまるんです。

Chapter 4

改善活動が失敗するパターン

タカシ

さて、ここからは少しシビアな話をしましょう。実は改善活動がうまくいかない会社には共通パターンがあるんです。よくある失敗の第一位は何だと思いますか?

ミカ

うーん、やる気がないとか...社員のモチベーションの問題ですか?

タカシ

実はそれ以前の問題なんです。最悪のパターンは「何が問題かわからないまま改善を始める」こと。課題を客観的に把握せずに、なんとなく改善しようとすると、的外れな努力になってしまうんですね。

ミカ

なるほど。問題を特定しないまま動くのは、地図を持たずに旅に出るようなものですね。

タカシ

いいたとえですね。そしてもう一つ多いのが、経営層が改善を現場に丸投げするパターン。トップが本気でコミットしないと、現場は自分の部署だけの部分最適に走ってしまう。結果として仕事の付け替えだけで終わるんです。

ミカ

それ、すごくリアルな話ですね。「改善やっておいて」って言われても、現場は困りますよね。ゴールも評価基準もわからないままじゃ、何を目指せばいいかわからない。

タカシ

おっしゃる通りです。さらに見落としがちなのが、改善で現場の負担だけが増えるケース。新しいルールやチェック項目を増やしたのに、減らす作業を設計しないと、現場は疲弊して改善活動自体が嫌われてしまいます。

Chapter 5

クロージング ― 明日から始める改善の一歩

タカシ

では最後に、皆さんが明日から実践できるアクションをまとめましょう。まず、自分の業務でムダだと感じる作業を一つだけ書き出してください。そしてその作業にかかる時間を一週間だけ計測してみる。

ミカ

一つだけでいいんですね。それなら今日からでもできそうです。データを取るっていうのがポイントですね。

タカシ

そうです。改善案を思いついたら、まず小さく試して効果を検証する。いきなり全社展開するのではなく、小さな成功体験を積み重ねることが大事です。改善しない日をつくらない、これを合言葉にしてみてください。

ミカ

「改善しない日をつくらない」、いい言葉ですね。今日のお話で、改善って特別なことじゃなくて、毎日の小さな工夫の積み重ねなんだなって実感しました。

タカシ

今日は改善の基本から実践事例、そして失敗パターンまでお話ししました。ぜひ皆さんの会社でも、小さな一歩から始めてみてくださいね。それではまた次回お会いしましょう。

ミカ

ありがとうございました。皆さんもぜひ、明日の朝一番に「ムダ探し」からスタートしてみてください。また来週お会いしましょう。