スクリプト
Chapter 1 オープニング ─ ダイソンが掃除機市場を変えた一言
皆さん、こんにちは。経営についていっしょに学んでいくポッドキャスト、今回もよろしくお願いします。タカシです。
ミカです!今日もよろしくお願いします。今回のテーマは何でしょうか?
今回は「提案価値」、英語ではバリュープロポジションというテーマです。まずちょっとクイズなんですが、ダイソンの掃除機ってありますよね。あの製品が世界で大ヒットした理由、何だと思います?
えーと、吸引力がすごい...とか?デザインがカッコいいからとかですか?
実はダイソンの成功の鍵は「吸引力が変わらない、ただ一つの掃除機」というたった一言のメッセージだったんです。技術がすごいとか、サイクロン方式だとかではなく、「使い続けても吸引力が落ちない」という顧客のストレス解消を前面に出した。これがまさに提案価値なんですよ。
へえ〜!技術の説明じゃなくて、お客さんの困りごとを解決しますよって伝えたのがポイントだったんですね。なるほど、それが提案価値なんだ。
Chapter 2 提案価値の基本 ─ 3つの円の重なりで考える
では、提案価値の基本から整理していきましょう。提案価値って、簡単に言うと「なぜお客さんがあなたから買うのか」の答えなんです。これが曖昧だと、結局価格競争に巻き込まれてしまう。
なるほど。でも「うちの製品はここがすごいですよ」って説明することとは違うんですか?
いい質問ですね。まさにそこが多くの人が間違えるところなんです。提案価値は「自社の機能」の説明ではなく、「顧客の課題解決」や「顧客が得られる成果」にフォーカスしたものなんです。
自社の視点じゃなくて、お客さんの視点で語るってことですね。でも具体的にはどうやって見つければいいんでしょう?
わかりやすいフレームワークがあるんですよ。3つの円の重なりで考えるんです。一つ目が「顧客が望むこと」、二つ目が「自社が提供できること」、三つ目が「競合が提供できないこと」。この3つが重なる部分が、あなただけの提案価値になります。
3つの円の重なり!ベン図みたいなイメージですね。お客さんが欲しくて、自分が提供できて、ライバルにはできないこと。その真ん中が提案価値なんだ。
そのとおりです。逆に言うと、自社が提供できても顧客が求めていなかったら意味がないし、顧客が求めていても競合と同じなら差別化にならない。この3つすべてが重なるポイントを見つけることが大事なんです。
なるほど〜。シンプルだけど奥が深いですね。でも自分のビジネスでそれを見つけるのって、なかなか難しそう...。
Chapter 3 実例に学ぶ ─ Airbnbとユニクロの提案価値
ここで、もう少し企業の実例を見てみましょう。Airbnbって使ったことありますか?
はい!旅行のとき使ったことあります。普通のマンションや一軒家に泊まれるやつですよね。
Airbnbの提案価値は、旅行者には「ホテルより安く、地元のユニークな暮らしを体験できる」こと、物件オーナーには「空き部屋を収益化できる」こと。つまり双方向に価値を提供しているんです。機能の説明じゃなくて、ちゃんと顧客の成果を語っていますよね。
たしかに!「部屋を貸し借りするアプリです」って言われるより、「地元の暮らしが体験できますよ」って言われたほうがグッときますよね。
もう一つ、ユニクロも見てみましょう。ユニクロの提案価値は「高品質で快適なファッションを手頃な価格で」です。企画から製造、販売まで自社で一貫して行うSPAモデルだからこそ実現できている。
SPAモデル?それって何ですか?
SPAは「製造小売業」のことで、自分たちで作って自分たちで売るビジネスモデルです。中間マージンがなくなるので、品質を保ちながらも価格を抑えられる。つまり、ユニクロの提案価値を支えているのは、そのビジネスモデルの構造そのものなんですよ。
なるほど。提案価値って口先だけじゃなくて、会社の仕組みで実現するものなんですね。それが競合にマネされにくい理由にもなるわけか。
Chapter 4 よくある失敗パターン ─ こうなっていませんか?
ここからは、提案価値を作るときによくある失敗パターンを見ていきます。実は多くの会社がこれに陥っているんですよ。
失敗パターン、気になります。自分も知らずにやってそうで怖い...。
一つ目は、自社視点で作ってしまうこと。「当社は業界トップクラスの技術力があります」とか「創業50年の実績」とか。これ、お客さんからすると「で、私にとって何がいいの?」なんですよね。
あー、それ営業資料でよく見るやつですね!会社紹介で終わっちゃってるパターン。
二つ目は機能の羅列です。「この機能もあります、あの機能もあります」と並べるんですが、お客さんは機能の数じゃなくて、自分の問題が解決するかどうかを知りたいんです。
たしかに。スマホのスペック表をずらっと見せられても、結局何がいいのかわからないことありますもんね。
三つ目は、全方位に応えようとすること。あれもこれも盛り込んだ結果、競合との違いが埋もれてしまう。営業の人も全部説明しきれなくなるし、開発も追いつかなくなる。実はこれが一番多い失敗パターンかもしれません。
お客さんの要望を全部取り入れようとしちゃうんですね。でもそれだと結局、何が強みなのかぼやけちゃう。引き算が大事ってことですか?
まさにそのとおりです。提案価値は足し算ではなく引き算。何を捨てるかを決めることで、本当の強みが際立つんです。ダイソンも「吸引力が変わらない」という一点に絞ったからこそ、あれだけ刺さった。
Chapter 5 クロージング ─ 明日からできる3つのアクション
最後に、リスナーの皆さんが明日からすぐに実践できるアクションを3つお伝えします。
はい、ぜひ知りたいです!
一つ目、既存のお客さんに直接聞いてみてください。「なぜ当社を選んでくれたのか」「一番助かっていることは何か」。5人でいいです。自社が思っている強みと、お客さんが感じている価値のギャップに驚くはずです。
たった5人でいいんですね。それならすぐできそう。自分が思ってる強みとお客さんが感じてることが違うかもしれないって、ちょっとドキドキしますね。
二つ目は、提案価値を1文で書き切る練習です。「こういうお客さんが、こういう課題を解決し、こういう成果を得られる」の型で書いてみる。書けなかったら、まだ提案価値が曖昧な証拠です。
1文で言い切るって難しそうだけど、だからこそ本質が見えてきそうですね。
三つ目は、競合との比較表を作ること。自社と競合のそれぞれが提供できる価値を並べて、自社にしかない領域を見つける。この作業を通じて、どこで勝負すべきかがクリアになります。
3つの円のフレームワークを実際にやってみるわけですね。今日の話を聞いて、提案価値って結局「お客さん視点で自分だけの強みを言語化すること」なんだなって腹落ちしました。
そうですね。提案価値が明確な会社は、営業もマーケティングもブレません。ぜひ皆さんも、自社の提案価値を見つめ直すきっかけにしてみてください。それでは、また次回お会いしましょう。
ありがとうございました!次回もお楽しみに!