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Episode 128

リテンション - 顧客を逃さないマーケティングの基本

12分 5チャプター 日本語
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スクリプト

Chapter 1

オープニング - なぜ今リテンションなのか

タカシ

みなさん、こんにちは。経営学習ポッドキャスト、今回はエピソード128です。今日のテーマは「リテンション」。既存のお客様との関係を維持して、継続利用を促すマーケティングについてお話しします。

ミカ

こんにちは。リテンションですね。最近よく聞く言葉ですけど、新規のお客さんを取ることばっかり考えがちですよね。既存顧客の維持って、そんなに大事なんですか?

タカシ

実はですね、驚くべきデータがあるんです。新規顧客を獲得するコストは、既存顧客を維持するコストのなんと5倍もかかると言われています。これは「1対5の法則」と呼ばれていて、コンサルティング大手のベイン・アンド・カンパニーのライクヘルド氏が提唱したものです。

ミカ

5倍!それはすごい差ですね。つまり同じ売上を上げるにしても、既存のお客さんに売る方がずっと効率がいいってことですか?

タカシ

その通りです。さらにもう一つ、「5対25の法則」というのもあって、顧客離れをたった5%改善するだけで、利益が25%以上向上するんです。だからこそ、リテンションは経営者が最優先で取り組むべきテーマなんですよ。

Chapter 2

リテンションマーケティングの基本

ミカ

なるほど、数字で見るとインパクトが大きいですね。じゃあ具体的に、リテンションマーケティングってどんなことをするんですか?

タカシ

リテンションマーケティングとは、すでに自社の商品やサービスを使ったことがあるお客様に対して、リピート購入や継続利用、さらにはアップセルを促す施策の総称です。ポイントは「すでに自社を知っている人」に向けた活動だということですね。

ミカ

あ、新しいお客さんを見つけるんじゃなくて、もう買ってくれた人にもう一回来てもらう、ということなんですね。でもそれってどうやるんですか?

タカシ

代表的な手法としては、メールマーケティング、ポイントプログラム、パーソナライズされたおすすめ商品の提案、アプリのプッシュ通知、そしてカスタマーサポートの充実などがあります。共通するのは、お客様一人ひとりの行動や好みを理解して、それに合わせたアプローチをするということですね。

ミカ

なるほど。ただ一律にクーポンをばらまくんじゃなくて、お客さんごとに合わせるのが大事なんですね。

タカシ

そうなんです。そしてもう一つ大事なのは、ロイヤルティの高いお客様はSNSや口コミでポジティブな情報を発信してくれるんですよ。つまりリテンション施策が成功すると、間接的に新規顧客の獲得にもつながる。一石二鳥なんです。

Chapter 3

成功事例に学ぶ - 星野リゾートとZOZOTOWN

ミカ

実際にリテンションマーケティングで成功している企業って、どんなことをやってるんですか?具体例が聞きたいです。

タカシ

いい質問ですね。まず有名な例として星野リゾートがあります。彼らは宿泊後にアンケートを実施して、お客様の声をサービス改善に反映し続けているんです。その結果、リピート率20%以上を達成しています。

ミカ

へえ〜、リピート率20%以上ってすごいですね!ホテル業界って一回行ったら満足して違うところに行きがちじゃないですか。

タカシ

そうなんです。星野リゾートのポイントは、顧客ごとの好みや過去の利用履歴を把握した上で接客すること。いわゆる「One to Oneマーケティング」ですね。前回のお食事の好みを覚えていたり、お部屋の希望を先回りして準備したり。お客様が「自分のことを分かってくれている」と感じることが、リピートにつながるんです。

ミカ

確かに、自分の好みを覚えてくれてるお店ってまた行きたくなりますよね。他にも事例はありますか?

タカシ

もう一つ面白い例がZOZOTOWNの「ツケ払い」サービスです。商品を注文した後、2ヶ月間支払いを延長できるんですね。これによって、カートに入れたまま購入をためらっていた休眠顧客の購入確定率が向上したんです。

ミカ

あー、それは賢いですね!「買いたいけど今月ちょっと厳しいな」って人のハードルを下げてあげるわけですか。お客さんの気持ちをよく分かってますね。

Chapter 4

よくある失敗パターン

タカシ

ここからは、リテンション施策でよくある失敗パターンについてお話しします。実は多くの企業が陥りがちな罠があるんです。

ミカ

失敗パターンですか。それは気になります。どんなことがあるんですか?

タカシ

一番多い失敗は、顧客データを集めているのに活用しないことです。CRMにデータを入力してるだけで満足してしまう。データは分析して施策に落とし込んで初めて価値が出るんですが、ここまでやれている企業は意外と少ないんですよ。

ミカ

あー、それは耳が痛いですね。データを集めることが目的になっちゃってるパターンですか。

タカシ

もう一つは接触頻度が多すぎることです。忘れられないようにと、メールやプッシュ通知を送りすぎると、お客様に「しつこい」と思われてしまう。最悪の場合、アプリの削除やメール配信解除につながります。せっかくの顧客接点を自分で壊してしまうんですね。

ミカ

確かに、毎日のようにメールが来るお店ってちょっとうんざりしますよね。あとは何かありますか?

タカシ

もう一つ重要なのが、顧客のニーズを無視した画一的な施策です。例えば、前回と違う商品を試してみたいと思っているお客様に、前回と同じ商品の割引クーポンを送っても効果がないんです。お客様のことを理解せずに施策を打っても、お金と時間の無駄になってしまいます。

Chapter 5

クロージング - 明日から始めるリテンション

ミカ

失敗パターンを聞くと、やみくもにやっても逆効果なんだなって分かりますね。じゃあリスナーの皆さんが明日から始められることって何かありますか?

タカシ

はい。まずは自社の顧客離脱率、いわゆるチャーンレートを計測してください。これは今いるお客様のうち、どのくらいの割合が離れていくかを数値化したものです。現状を把握しないと改善しようがないですからね。

ミカ

なるほど、まずは現状を数字で知ることが第一歩なんですね。

タカシ

次に、離脱したお客様にヒアリングやアンケートで解約理由を聞いてみてください。その上で、お客様のセグメントごとにパーソナライズされた施策を設計する。大事なのは、小さく始めて効果を検証し、成功パターンを横展開することです。いきなり大きくやろうとしないでくださいね。

ミカ

小さく始めて成功パターンを見つけてから広げる。これはリテンションに限らず、経営全般に通じる考え方ですね。

タカシ

その通りです。今日のまとめです。リテンションとは既存顧客との関係維持。新規獲得の5分の1のコストで利益に直結する。顧客を理解してパーソナライズすることが成功の鍵。そしてデータを集めるだけでなく活用すること。皆さんもぜひ自社の顧客離脱率の把握から始めてみてください。

ミカ

今回もとても勉強になりました。リテンション、新規獲得ばかりに目が行きがちですけど、今いるお客さんを大切にすることが、実は一番の近道なんですね。それではまた次回お会いしましょう。ありがとうございました!