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Chapter 1 オープニング - 黒字なのに倒産?
皆さんこんにちは、タカシです。今回のテーマはC/F、キャッシュフロー計算書です。いきなりですが、売上2,000億円超え、利益30億円以上で過去最高益を更新していた上場企業が、翌年に倒産したケースがあるんです。
こんにちは、ミカです。えっ、過去最高益なのに倒産ですか?それって一体どういうことなんですか?
実はその会社、営業キャッシュフローが5期連続でマイナスだったんです。つまり、帳簿上は儲かっていたけれど、本業で現金を稼げていなかった。これが今日のテーマ、キャッシュフロー計算書を読めないと見落とす致命的なリスクです。
利益が出ているのにお金がない、ってなんだか矛盾しているように感じますけど...今日でしっかり理解したいです。よろしくお願いします!
Chapter 2 C/Fの基本 - 3つのキャッシュフローを知る
まず基本から整理しましょう。C/Fは、お金の流れを3つの区分に分けて記録します。1つ目が営業キャッシュフロー、いわゆる営業CF。本業でどれだけ現金を稼いだか、あるいは失ったかを示します。
営業CFがプラスなら本業が順調ということですよね。でも、P/Lの営業利益とは何が違うんですか?
いい質問ですね。P/Lの営業利益は、売上が計上された時点で記録されるんです。でも実際の入金は2ヶ月後、3ヶ月後ということがよくある。営業CFは、実際に現金が入ってきたタイミングで記録するので、よりリアルなお金の状況がわかるんです。
なるほど、帳簿上の利益と実際の現金にタイムラグがあるってことですね。残りの2つはどんな区分ですか?
2つ目が投資キャッシュフロー、投資CFです。設備投資やM&Aなど、将来のための投資による現金の動きを示します。成長企業では投資CFがマイナスになるのが普通で、これは将来に向けた種まきをしている証拠なんです。
投資でお金が出ていくのは当然ですもんね。マイナスだからダメってわけじゃないんだ。
その通りです。そして3つ目が財務キャッシュフロー、財務CFです。銀行からの借入や返済、株主への配当金の支払いなど、資金調達に関するお金の動きですね。プラスなら資金を調達している状態、マイナスなら借金を返している状態です。
営業CF、投資CF、財務CFの3つですね。これを組み合わせて見ることで、会社の状態がわかるということですか?
Chapter 3 黒字倒産の実態 - なぜ利益があっても潰れるのか
ここが経営の面白いところなんですが、3つのCFの組み合わせパターンで会社の状態を8パターンに分類できるんです。最も健全なのは、営業CFがプラス、投資CFがマイナス、財務CFがマイナスという状態。本業で稼いで、将来に投資して、借金も返せているパターンです。
逆に危険なパターンってどういう組み合わせですか?
最も危険なのは、営業CFがマイナスで財務CFがプラスのパターンです。これは本業で現金を稼げていないのに、借金で補填している状態。オープニングで紹介した化学品商社も、まさにこのパターンでした。
借金で本業の赤字を埋め続けるって、いつか破綻しますよね。でもなぜ5期もマイナスが続くまで放置されたんですか?
P/Lだけを見ていたからです。売上も利益も右肩上がりだったので、表面上は絶好調に見えた。でもその裏では、海外の取引先からの売上代金の回収が遅れに遅れていた。売上は計上されても現金が入ってこない。これが黒字倒産の本質なんです。
うわあ、それは怖いですね。P/Lだけ見て安心しちゃいけないってことが、すごくリアルにわかりました。
スタートアップでも同じリスクがあります。急成長で売上は伸びていても、売掛金の回収サイクルが長ければ、人件費や仕入れの支払いが先に来て資金がショートする。特に建設業や不動産、BtoB取引では回収が数ヶ月かかるケースが多いので、要注意です。
売上が伸びている時ほど、実はキャッシュが足りなくなるリスクがあるんですね。成長している時こそC/Fを見ないといけない。
Chapter 4 フリーキャッシュフロー - 経営の余裕度を測る指標
ここでもう一つ大事な指標を紹介します。フリーキャッシュフロー、略してFCFです。これは営業CFから投資CFを差し引いたもので、企業が自由に使える現金を表します。
フリーキャッシュフロー、自由に使えるお金ってことですよね。これがプラスだと何が良いんですか?
FCFがプラスなら、本業で稼いだお金で投資もまかなえて、さらに余裕がある状態です。この余裕で借金を返したり、新しい事業に挑戦したり、株主に配当を出したりできる。逆にFCFがマイナスだと、投資が営業CFを上回っていて、外部からの資金に頼らざるを得ない状態です。
なるほど、経営の余裕度を測るバロメーターみたいなものですね。自分の会社がどれくらい自立して回せているかがわかる。
まさにそうです。もう一つ覚えておいてほしいのが、ランウェイという考え方です。今の手元資金で、あと何ヶ月事業を継続できるか。毎月の固定費を把握して、現金残高を固定費で割れば出せます。最低でも3ヶ月分の固定費は手元に確保しておくのが鉄則です。
3ヶ月分の固定費ですね。これを下回ったら危険信号ということですか?
はい。3ヶ月を切ると、急な売上減少や取引先の支払い遅延が起きた時に対応できなくなります。余裕がないと正しい経営判断もできなくなるので、ランウェイの確保は経営者の最優先事項です。
Chapter 5 クロージング - 明日からできるアクション
それでは今回のまとめです。C/Fは営業CF、投資CF、財務CFの3つでお金の流れを見る財務諸表です。P/Lの利益だけでなく、実際の現金の動きを把握しないと黒字倒産のリスクがある。これが今日一番伝えたかったポイントです。
リスナーの皆さんに明日からすぐできるアクションとしては、どんなことがありますか?
3つあります。まず、毎月の現金残高を確認する習慣をつけること。次に、売掛金の回収サイトを把握して、入金日と支払日のタイムラグを管理すること。そして、ランウェイ、つまり手元資金で何ヶ月持つかを常に計算しておくこと。この3つだけでも、経営の安全度は格段に上がります。
今日のお話を聞いて、利益と現金は別物なんだということが本当によくわかりました。P/Lだけじゃなくて、C/Fもちゃんと見ようと思います。
ぜひそうしてください。キャッシュは会社の血液です。流れが止まったら、どんなに体が元気でも倒れてしまう。C/Fを味方につけて、健全な経営を目指しましょう。それでは、また次回お会いしましょう。
ありがとうございました!次回もお楽しみに。