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Chapter 1 オープニング - 黒字なのに倒産する会社がある?
皆さん、こんにちは。経営学習ポッドキャスト、今日もよろしくお願いします。今回のテーマは「キャッシュフロー」です。ミカさん、突然ですが、「黒字倒産」って聞いたことありますか?利益が出ているのに会社が潰れるって、ちょっと不思議じゃないですか?
えっ、黒字なのに倒産?利益が出てるんだったら大丈夫じゃないんですか?利益が出てるのにお金がない、ってどういう状態なんだろう...。
そう思いますよね。実はここが経営の怖いところで、帳簿上の利益と手元の現金って、一致しないんです。売上が計上されても、実際にお金が入ってくるのは2〜3ヶ月後なんてことはざらにある。でも支払いは毎月やってくる。
なるほど...。売上があっても、入金のタイミングがずれると、お金が足りなくなるってことですね。それはかなり怖いですね。
まさにそうです。だからこそ経営者は「いくら儲けたか」だけじゃなくて、「今、手元にいくらあるか」を常に見なきゃいけない。これがキャッシュフロー経営の基本的な考え方です。今日はこのキャッシュフローについて、基礎から実践まで一緒に見ていきましょう。
Chapter 2 キャッシュフローの基本 - お金の流れを3つに分ける
じゃあ、まず基本から教えてほしいんですけど、キャッシュフローって具体的にどう見ればいいんですか?売上や利益とは違うっていうのはわかったんですけど。
いい質問ですね。キャッシュフローは基本的に「キャッシュ・イン、つまり入ってくるお金」から「キャッシュ・アウト、つまり出ていくお金」を引いたものです。そしてこのお金の流れを、3つの活動に分けて見るのがポイントなんです。
3つの活動ですか。それぞれどういうものなんですか?
まず1つ目が「営業活動によるキャッシュフロー」。これは本業でどれだけ現金を稼いだかです。商品を売って代金を回収する、仕入れ代を支払う、そういった本業の現金の出入りですね。これがプラスなら、本業でしっかり稼げている証拠です。
本業でちゃんとお金を稼げているかどうか。これが一番大事そうですね。2つ目はなんですか?
2つ目は「投資活動によるキャッシュフロー」。設備を買ったり、事業所を増やしたり、あるいは不要な資産を売却したり。成長のための投資なので、通常はマイナスになります。むしろマイナスじゃないと、投資していないということになる。
へえ〜、投資のキャッシュフローはマイナスが普通なんですね。マイナスって聞くと悪いことだと思っちゃいますけど、成長のための支出ならむしろ良いことなんだ。
そうなんです。そして3つ目が「財務活動によるキャッシュフロー」。銀行からお金を借りたり、借りたお金を返したり、株式を発行したりする活動です。借入が多ければプラス、返済が多ければマイナスになります。
なるほど。営業・投資・財務の3つで、会社のお金がどう動いているかが全部わかるわけですね。でもこの3つ、組み合わせで見ないといけないんですよね?
さすがですね。その通りです。たとえば営業CFがプラスで投資CFがマイナスなら、本業で稼いだお金で成長投資している健全な状態。でも営業CFがマイナスで財務CFがプラスだと、本業で赤字なのを借金で埋めている。これは非常に危険な状態なんです。
Chapter 3 実例で学ぶ - 成長企業が陥る資金ショート
ここで実際によくある事例を紹介しましょう。意外なことに、キャッシュフローの問題は業績が悪い会社だけじゃなくて、急成長している会社にも起きるんです。
えっ、成長してる会社でも?売上が伸びてるなら、お金も入ってきそうなものですけど...。
たとえば月商1,000万円の会社が、受注が好調で月商2,000万円に急成長したとします。売上は倍ですよね。でも仕入れや外注費も倍になる。問題は、売掛金の回収が2〜3ヶ月後なのに、仕入先への支払いは翌月に来ることなんです。
あっ、なるほど!売上は増えてるけど、お金がまだ入ってこないのに支払いだけ先に増えるわけですね。それはきついですね...。
まさにそうです。これを「成長に伴う資金ショート」と言います。しかも大手企業との取引だと、支払いサイトが60日とか90日に設定されることも多い。売上は立ってるのに入金まで3ヶ月かかる。でも自分の会社から仕入先への支払いは30日。この差分を自前で埋めないといけないんです。
支払いサイトの差が60日もあったら、その間の資金をどこから調達するかが問題になりますね。成長してるのに倒産するって、こういうことだったんだ...。
そうなんです。だからキャッシュフロー経営を実践している企業では、週に1回は資金繰り表を更新して、最低3ヶ月先までの入出金を予測しています。「来月の売上がいくら」じゃなくて、「来月の入金がいくら、支払いがいくら」で考える。この視点の切り替えが、経営の安定を左右するんです。
Chapter 4 よくある失敗パターン - P/Lだけ見る危険
ここまで聞いてきて、キャッシュフローの重要性はよくわかりました。じゃあ逆に、経営者がやりがちな失敗パターンってどんなものがありますか?
よくある失敗パターンが3つあります。まず一番多いのが、P/L、つまり損益計算書の利益だけ見て安心してしまうパターン。「今月は利益が出てるから大丈夫」と。でも売掛金がちゃんと回収できてるかは確認していない。
利益が出てるから安心して、通帳の残高を見てなかった、みたいな話ですよね。数字を見てるようで、見るべき数字が違ってたということか。
その通りです。2つ目の失敗は、成長期に設備投資や採用を急ぎすぎること。新しいオフィスを借りる、人を一気に増やす。これ自体は成長に必要なことですが、営業キャッシュフローが追いつく前にやってしまうと、一気に資金が枯渇します。
調子がいいときほど気を付けないといけないんですね。勢いで投資しちゃうと、あとで苦しくなると。3つ目は?
3つ目は在庫の積みすぎです。大量に仕入れればコストが下がるからと在庫を抱えると、その分のお金が寝てしまう。100万円分の在庫があるということは、100万円の現金が使えなくなっているのと同じなんです。
在庫ってコストだけの問題じゃなくて、キャッシュフローの問題でもあるんですね。安く買えても、売れなかったら資金が凍りついたままということか。これ、全部に共通してるのは「利益は出てるのに現金がない」ってことですよね。
Chapter 5 クロージング - 明日から実践できるキャッシュフロー管理
では最後に、今日の内容をまとめましょう。キャッシュフローで大事なポイントは3つです。1つ目、利益ではなく手元の現金を見ること。2つ目、営業・投資・財務の3つのキャッシュフローの組み合わせで経営の健全性を判断すること。3つ目、入金と支払いのタイムラグを常に管理すること。
利益よりキャッシュ。そして営業CFがプラスかどうかが最優先の指標。あとは入金と支払いのタイミングの管理ですね。今日は本当に目からウロコでした。
リスナーの皆さんにぜひ明日から実践してほしいことがあります。まず、自分の会社の通帳残高を確認してください。そして来月の入金予定と支払い予定を書き出してみる。これだけでも、自社のキャッシュフローの状態が見えてきます。手元に最低3ヶ月分の固定費があるかどうか、チェックしてみてください。
通帳残高の確認と、来月の入出金の書き出し。すごくシンプルだけど、やってない人も多そうですよね。皆さんもぜひ試してみてください!
キャッシュフローは経営の生命線です。利益を見るのと同じくらい、現金の流れを見る習慣をつけていただけたらと思います。今日も聞いていただきありがとうございました。次回もまた経営の大事なテーマをお届けしますので、お楽しみに。それでは、また次回お会いしましょう!