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Episode 55

フィードバック ― 部下を伸ばす伝え方の技術

13分 5チャプター 日本語
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スクリプト

Chapter 1

オープニング ― フィードバックの意外な事実

タカシ

皆さん、こんにちは。経営学習ポッドキャストのタカシです。今回のテーマは「フィードバック」。マネージャーなら誰もが避けて通れないスキルですね。

ミカ

ミカです。フィードバックって、褒めたり注意したりすることですよね?正直、ちょっと苦手意識があります。

タカシ

実は多くのマネージャーがそう感じています。ここで驚きのデータをひとつ。研究によると、ポジティブなフィードバックとネガティブなフィードバックの比率は「3対1以上」が効果的だそうです。つまり、改善点を1回伝えるなら、良い点を3回以上伝える必要があるんです。

ミカ

え、3対1ですか!それってかなり意識しないと難しくないですか?普段、注意することのほうが多くなりがちな気がします。

タカシ

そうなんです。だからこそ今日は、フィードバックの基本から、すぐに使えるフレームワーク、そしてやりがちな失敗パターンまで、しっかりお話ししていきます。

Chapter 2

フィードバックの基本 ― 人格ではなく行動に焦点を当てる

タカシ

まずフィードバックの大原則をお伝えします。それは「人格ではなく、行動に焦点を当てる」ということです。「あなたはダメだ」ではなく、「この場面で、こういう行動をした結果、こういう影響があった」と伝えるんですね。

ミカ

なるほど。でも具体的にどうやって伝えればいいんでしょう?つい「もっとしっかりやって」みたいな曖昧な言い方になっちゃいそうです。

タカシ

そこで使えるのが「SBIモデル」というフレームワークです。SはSituation、状況。BはBehavior、行動。IはImpact、影響。この3つの要素で整理してから伝えるんです。

ミカ

SBI...状況、行動、影響ですね。具体的にはどんな感じになりますか?

タカシ

例えば、「先週の顧客プレゼンで」が状況、「データを使って競合比較を示してくれた点」が行動、「クライアントの意思決定を大きく後押しした」が影響です。こうすると、何が良かったのかが明確になりますよね。

ミカ

へえ〜、それはわかりやすい!逆に改善点を伝えるときも同じ形式が使えるんですか?

タカシ

もちろんです。「昨日のチームミーティングで」「報告が数字なしの感覚ベースだったため」「メンバーが次に何をすべきか判断できなかった」というように伝えます。事実ベースなので、感情的にならずに済むんです。

ミカ

確かに、これなら「あなたがダメ」じゃなくて「この行動を変えよう」という話になりますね。受け取る側も納得しやすそうです。

Chapter 3

実務での活用 ― 日報フィードバックの成功事例

タカシ

ここで実際の企業事例をご紹介しましょう。八神製作所という会社では、日報を使ったフィードバック制度を導入しました。部下が書いた日報に対して、上司が丁寧にコメントを返すんです。

ミカ

日報にフィードバックですか。毎日となると上司の負担も大きそうですが、それでも効果があったんですか?

タカシ

面白いのが、チーム内で日報をオープンにしたことで、個人へのフィードバックだけでなくナレッジの横展開も実現したんです。Aさんへの指摘がBさんの学びにもなる。一石二鳥ですよね。

ミカ

それは面白いですね!自分宛てじゃないフィードバックからも学べるって、チーム全体の底上げになりそうです。

タカシ

そうなんです。ここで大事なのは、フィードバックは「評価面談のとき」だけでなく、日常的にこまめに行うことが効果的だということ。半年後にまとめて伝えても、本人は状況を覚えていませんから。

ミカ

確かに、半年前のことを今さら言われても「えっ、そんなことありましたっけ?」ってなりますよね。

タカシ

まさにそうです。フィードバックはタイミングが命。できれば行動を観察したその日のうちに、遅くとも1週間以内に伝えるのがベストです。

Chapter 4

よくある失敗パターン ― こんなフィードバックはNG

タカシ

さて、ここからはよくある失敗パターンについてお話しします。意外とやりがちなものが多いので、皆さんも自分に心当たりがないかチェックしてみてください。

ミカ

ドキドキしますね。私もやっちゃってるかもしれません。どんなものがありますか?

タカシ

まず一番多いのが「精神論フィードバック」です。「もっと頑張れ」「意識を高く持て」といった声かけ。気持ちはわかりますが、これでは具体的に何をどう変えればいいかわかりませんよね。

ミカ

あー、それは確かに言われても困りますね。「頑張れって言われても、どうすれば...」ってなりそうです。

タカシ

次に「曖昧フィードバック」。「だいたい、いいんじゃない」で終わらせるパターン。これだとメンバーは何が良くて何を改善すべきかまったくわからない。忙しいときほどやりがちですが、非常にもったいないんです。

ミカ

わかります。上司に相談して「まあいいんじゃない」って返されると、認められたのかスルーされたのか判断がつかないですよね。

タカシ

そして「一方通行フィードバック」。上司が自分の結論だけ伝えて、相手の考えや意図を聞かないパターンです。フィードバックは対話であるべきなんです。相手がなぜそうしたのかを聞くことで、認識のズレが見えてきます。

ミカ

なるほど。フィードバックって「伝える」だけじゃなくて「聴く」も含まれているんですね。これは大事な視点です。

Chapter 5

クロージング ― 明日から実践できるアクション

タカシ

では最後に、今日のまとめと明日から実践できるアクションをお伝えします。フィードバックの基本は、人格ではなく行動に焦点を当てること。そしてSBIモデル、つまり状況・行動・影響の3つで整理して伝えることでしたね。

ミカ

ポジティブとネガティブの比率3対1も印象的でした。まずは良い行動を見つけて伝えることから始めるのが大事ですね。

タカシ

明日からできるアクションとしては、まずメンバーの行動をメモする習慣をつけてみてください。良いことも気になったことも、その日のうちに短くメモする。これがあれば事実ベースのフィードバックが格段にやりやすくなります。

ミカ

メモを取る、ですね。確かにそれなら明日からすぐに始められそうです。あとは1on1の場を定期的に設けるのも大切でしたよね。

タカシ

そのとおりです。フィードバックは特別なイベントではなく、日常的なコミュニケーションの一部です。ぜひ今日の内容を参考に、メンバーとの対話を充実させてみてください。

ミカ

今日もたくさん学びがありました!皆さんもぜひSBIモデル、試してみてくださいね。それではまた次回お会いしましょう!