スクリプト
Chapter 1 オープニング - 間違った問いに答えていませんか?
皆さん、こんにちは。経営学習ポッドキャスト、タカシです。今回のテーマは「問題発見」です。ミカさん、突然ですが、経営で一番大きな失敗って何だと思いますか?
うーん、判断を間違えることとか、大きな損失を出すこととか...ですかね?
なるほど、それも確かに痛いですよね。でも、あのドラッカーはこう言っています。「経営における最も重大な過ちは、間違った答えを出すことではなく、間違った問いに答えることだ」と。
えっ、間違った問いに答えること?つまり、そもそも取り組んでいる問題自体が間違っている可能性があるってことですか?
そうなんです。どんなに素晴らしい解決策を実行しても、そもそも問題の捉え方がズレていたら、成果にはつながらない。今日はその「問題を正しく見つける力」について、一緒に考えていきましょう。
Chapter 2 問題発見の基本 - あるべき姿と現状のギャップ
まず基本的な考え方からいきましょう。問題発見とは、「あるべき姿」と「現状」のギャップを認識することです。ここで大事なのは、問題と課題は違うということなんですよね。
問題と課題って、違うんですか?普段、同じような意味で使っちゃってますけど...
いい質問ですね。問題は「起きている事象そのもの」で、課題は「その問題を解決するために取り組むべきこと」です。例えば、「売上が落ちている」は問題、「新規顧客の獲得チャネルを増やす」は課題。問題を正確に把握しないと、的外れな課題を設定してしまうんです。
なるほど。じゃあ、問題の見つけ方にもコツがあるんですか?
実は問題には2種類あるんです。一つは「発生型」で、クレームが来たとか売上が下がったとか、目に見える問題。もう一つは「設定型」で、自ら理想を描いて現状とのギャップを問題として設定するものです。
へえ〜、自分で問題を設定するっていうのは面白いですね。でも、発生型の方が見つけやすそう。
その通りで、発生型は誰でも気づきやすいんです。でも、経営の質を本当に左右するのは設定型の方なんですよね。理想がなければ問題も見えない。だからマネージャーには、まず「あるべき姿を言語化する」ことが求められるんです。
Chapter 3 トヨタに学ぶ - なぜなぜ分析の力
ここからは実務での具体例を見ていきましょう。問題発見の手法として世界的に有名なのが、トヨタの「なぜなぜ分析」、いわゆる「5回のなぜ」です。大野耐一さんが提唱したこの手法、ミカさんは聞いたことありますか?
名前は聞いたことあります!「なぜ?」を5回繰り返すっていうやつですよね。でも、実際にどう使うのかはよくわからなくて。
有名な事例があるんです。工場で機械が止まった。普通なら「壊れたから修理しよう」で終わりますよね。でもトヨタでは「なぜ機械が止まったか?」と聞く。答えは「過負荷でヒューズが切れた」。
ふむふむ、で、さらに「なぜ?」と聞くんですね。
そうです。なぜ過負荷になったか?軸受部の潤滑が不十分だった。なぜ潤滑が不十分か?ポンプが十分に汲み上げていなかった。なぜ汲み上げられなかった?ポンプの軸が摩耗してガタついていた。なぜ摩耗したか?ろ過器がついていなくて、切り子が潤滑油に混入していた。
すごい!最初の「機械が止まった」から、最終的には「ろ過器がなかった」という全然違うところにたどり着くんですね。
まさにそうなんです。もし最初の段階で「ヒューズを交換しよう」で終わっていたら、また同じことが起きますよね。ろ過器をつけるという根本対策ができて初めて、問題が本当に解決する。これが問題発見の本質なんです。
なるほど〜。表面的な対策は対症療法にすぎなくて、真因を見つけることが根本治療になるんですね。これ、工場だけじゃなくてオフィスの仕事でも使えそう。
Chapter 4 よくある失敗パターンと問題発見の落とし穴
さて、ここからは問題発見でよくある失敗パターンについて話しましょう。実は多くのマネージャーが、問題発見の段階でつまずいているんです。
失敗パターンですか。ぜひ知りたいです。自分も気づかないうちにやっちゃってるかもしれないし。
一つ目は「症状を問題だと思い込む」パターンです。例えば、売上が下がったときに「営業が弱い」と決めつけてしまう。でも実際には、商品の設計や価格設定に問題があるかもしれない。表面の症状と根本原因を混同してしまうんです。
あー、それはありそうですね。「営業を強化しよう!」って頑張っても、商品が問題だったら意味ないですもんね。
二つ目は「事実確認なしに原因を飛躍させる」パターン。データや現場観察なしに「たぶんこれが原因だろう」と仮説を確定させてしまう。トヨタでは「三現主義」、つまり現地・現物・現実を重視します。実際に現場に行って、自分の目で確かめることが大事なんです。
三現主義、現地・現物・現実ですね。会議室で推測するんじゃなくて、現場を見ろと。
そうです。三つ目は「問題解決に飛びつく」パターン。問題の構造を理解する前に解決策を実行してしまう。これがまさにドラッカーの言う「間違った問いに答える」状態なんです。
あっ、冒頭で話してたドラッカーの言葉につながるんですね!問題をちゃんと見つける前に動いちゃうのは危険だと。
それともう一つ面白い視点があって。ドラッカーは「問題に目を奪われて、機会を見失うことがあってはならない」とも言っています。問題解決ばかりに集中しすぎて、新しいチャンスを見逃してしまうのも失敗パターンなんです。
問題を見つけることも大事だけど、機会を見つけることも同じくらい大事。バランスが必要なんですね。
Chapter 5 クロージング - 明日から実践できるアクション
最後に、明日から実践できるアクションをまとめましょう。まず一つ目、週に1回でいいので「違和感メモ」をつけてみてください。業務の中で「あれ?」と感じた小さなことをメモする。問題発見は日常的な観察力の積み重ねなんです。
違和感メモ、いいですね!小さな違和感を見逃さないようにするだけでも、問題発見力が上がりそう。
二つ目は、問題に気づいたら「なぜ?」を最低3回は繰り返す。5回が理想ですけど、まずは3回から始めてみる。そして三つ目、データだけで判断せず、現場に足を運ぶ。三現主義を意識する。この3つだけでも、問題を見つける目が変わってきますよ。
違和感メモ、なぜを3回、現場に行く。覚えやすいですね!皆さんもぜひ、自分の仕事や事業に当てはめて試してみてください。
今日は「問題発見」についてお話ししました。正しい問題を見つけることが、すべての改善の出発点です。間違った問いに答えるのではなく、正しい問いを立てる力を、ぜひ磨いていきましょう。
今日もたくさん学びがありました。次回もお楽しみに。それでは皆さん、また次のエピソードでお会いしましょう!