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Episode 60

意思決定支援 ― 決めるのではなく「決められる状態」を作る

13分 5チャプター 日本語
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スクリプト

Chapter 1

オープニング ― マネージャーの本当の仕事

タカシ

皆さんこんにちは、タカシです。今日のテーマは「意思決定支援」。マネージャーの仕事って「自分で決めること」だと思われがちなんですが、実は違うんです。本当に大事なのは「決められる状態を作ること」なんですね。

ミカ

こんにちは、ミカです。えっ、マネージャーって自分でバシバシ決める人じゃないんですか?リーダーシップって決断力みたいなイメージがあるんですけど。

タカシ

そう思いますよね。でも実は、ドラッカーも「経営における最も重要な能力は意思決定である」と言っていて、これは自分が決めることじゃなくて、チームや上位者が適切に判断できる場と材料を用意することなんです。

ミカ

なるほど。つまりマネージャーは裏方というか、みんなが良い判断をできるようにお膳立てする人ってことですね。それって具体的にどうやるんですか?

Chapter 2

意思決定の3つのアプローチ

タカシ

まず基本から整理しましょう。意思決定には大きく3つのアプローチがあります。1つ目は合理的意思決定。問題を特定して、情報を集めて、論理的に最適な答えを導く方法です。

ミカ

それが一番正しそうな感じがしますね。データをちゃんと集めて分析して決めるっていう。

タカシ

ええ、理想的ではあるんですが、現実にはそうもいかない。そこで2つ目が限定合理性に基づく意思決定。時間や情報に制約がある中で、完璧ではなくても十分に良い選択をする方法です。ビジネスでは情報が全て揃うことはまずないですからね。

ミカ

たしかに。全部の情報が揃うのを待っていたら、チャンスを逃しちゃいますもんね。3つ目はなんですか?

タカシ

3つ目は直感的意思決定。経験や勘に基づいて素早く判断する方法です。ベテランの経営者はこれをよく使います。実は、情報が80%揃った段階で判断を促すことも、意思決定支援の大事な役割なんですよ。

ミカ

80%で決める!100%じゃなくていいんですね。それって勇気がいりそうですけど、マネージャーとしてはその背中を押すことも仕事なんですね。

Chapter 3

実務での意思決定支援 ― フレームワークと事例

タカシ

ここからは実務の話をしましょう。意思決定支援で使えるフレームワークの代表格がデシジョンツリー、決定木分析です。選択肢を樹形図にして、それぞれの結果と確率を可視化するんです。

ミカ

デシジョンツリーって聞いたことあります。でも実際にどう使うんですか?なんか難しそうなイメージで。

タカシ

実は面白い事例があって。ある中堅IT企業が新規市場への参入を検討していたんです。担当マネージャーがPEST分析で外部環境の変化を整理して、SWOT分析で自社の強みと機会をまとめて、経営会議に提示したんですね。

ミカ

へえ、フレームワークを組み合わせたんですね。それで経営陣はどう反応したんですか?

タカシ

ポイントは、選択肢ごとに投資額、回収期間、リスク要因を一覧表にしたことなんです。経営陣は判断に必要な情報がコンパクトにまとまっていたから、迅速に意思決定できた。結果として新興国市場でのサービスは初年度から黒字化に成功しました。

ミカ

すごい!やっぱり情報を整理して見せ方を工夫するだけで、結果が変わるんですね。逆に失敗するパターンもあるんですか?

Chapter 4

よくある失敗パターン4つ

タカシ

よくある失敗パターン、4つ紹介しますね。まず1つ目が「情報の出し過ぎ」。膨大なデータをそのまま渡して、意思決定者が何を見ればいいかわからなくなるパターンです。

ミカ

あー、それわかります。100ページの報告書を渡されても読めないですよね。情報を出すことが仕事じゃなくて、絞ることが大事なんですね。

タカシ

その通りです。2つ目は「選択肢を1つしか出さない」。これすべきですって結論だけ持っていくのは、支援じゃなくて押しつけなんですよ。最低3つ、推奨案と代替案と現状維持、これをセットで出すのが鉄則です。

ミカ

3つの選択肢!なるほど、決める側からすると比較できないと判断しようがないですもんね。残り2つは?

タカシ

3つ目は「リスクを隠す」。都合のいい情報だけ集めて提示すると、結果的に判断を誤らせます。不都合な事実こそ正直に出すべきです。そして4つ目が「判断の先送りを許容する」。もう少し情報を集めてからと言い続けて、決定がずるずる遅れるケースですね。

ミカ

先送り、耳が痛いです。さっきの80%ルールですね。完璧を待たずに、ある程度揃ったら決断を促すのもマネージャーの仕事ってことか。

Chapter 5

クロージング ― 明日から使える5つのアクション

タカシ

では最後に、明日から実践できるアクションポイントを5つまとめましょう。1つ目、提案時は必ず選択肢を3つ用意する。推奨案、代替案、現状維持の3セットです。

ミカ

3つの選択肢、これはすぐできそうですね。2つ目は?

タカシ

2つ目は、各選択肢にメリット、デメリット、想定リスク、コストを一覧表で添えること。3つ目は、意思決定者に何を判断してほしいかを冒頭で明確に伝えること。これ意外とやらない人が多いんです。

ミカ

たしかに、何を決めてほしいのかが曖昧な会議って多いですよね。あと2つですね。

タカシ

4つ目は、判断の期限を設定すること。いつまでに決めるかもセットで提示してください。そして5つ目、決定後は結果を記録して振り返りに活用する。この5つを習慣にするだけで、チームの意思決定スピードは格段に上がりますよ。

ミカ

すごくわかりやすかったです。マネージャーの仕事は決めることじゃなくて、決められる状態を作ること。これ、今日一番の学びでした。皆さんもぜひ明日から試してみてくださいね。

タカシ

はい、今日も聞いていただきありがとうございました。意思決定支援、ぜひ実践してみてください。それではまた次回お会いしましょう。