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Episode 65

組織設計 ― 戦略を実行できる「構造」のつくり方

13分 5チャプター 日本語
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Chapter 1

オープニング ― 組織の「型」で失敗率が変わる?

タカシ

皆さんこんにちは、タカシです。今日は「組織設計」がテーマです。会社が成長して人が増えてくると、個人の力よりも組織の構造のほうがずっと大事になってくるんですよね。

ミカ

こんにちは、ミカです。組織設計って、なんだか大企業の話みたいに聞こえますけど、スタートアップとか小さい会社でも関係あるんですか?

タカシ

実はそこがポイントで、スタンフォード大学の研究によると、スタートアップの組織設計には5つの類型があって、どの型を選ぶかで失敗率が大きく変わるんです。しかも、この型は創業初期に決まって、後から変えようとすると大きな代償を払うことになる。

ミカ

えっ、後から変えられないんですか?それはちょっと怖いですね。今日はその辺りも含めて詳しく聞きたいです。

Chapter 2

組織設計の基本 ― 7Sフレームワークと意思決定ライン

タカシ

まず組織設計の基本から話しましょう。組織設計の本質は「戦略を実行できる構造をつくること」です。よく使われるフレームワークにマッキンゼーの7Sというものがあります。

ミカ

7Sですか。なんか聞いたことあるような、ないような。それぞれのSって何なんですか?

タカシ

戦略、構造、システムという「ハードの3S」と、共通の価値観、スキル、人材、スタイルという「ソフトの4S」の合計7つです。大事なのは、ハード面だけ変えてもダメだということ。組織図を書き換えても、人の価値観やスキルが追いついてなければ機能しないんです。

ミカ

なるほど。組織図だけ変えてもうまくいかない、と。確かに、部署の名前だけ変わって中身は同じ、みたいな話は聞きますよね。

タカシ

そうなんです。そしてもう一つ、組織設計で最初に決めるべきなのが意思決定ラインです。誰がどのレベルの判断をしていいのかを明確にする。これが曖昧だと、些細なことまで社長に確認が集中して、組織全体のスピードがガクッと落ちるんですよ。

ミカ

ああ、それわかります。「社長に聞かないとわからない」みたいな状態が続くと、みんな動けなくなっちゃいますよね。皆さんの会社でも心当たりがあるかもしれません。

Chapter 3

実例に学ぶ ― Spotifyモデルとスタートアップの5類型

タカシ

ここからは実際の事例を見ていきましょう。まずは世界的に有名なSpotifyの組織モデルです。Spotifyは「スクワッド」と呼ばれる少人数の自律チームを組織の基本単位にしています。

ミカ

スクワッドってどのくらいの人数なんですか?あと、自律チームって、上からの指示なしで動くってことですか?

タカシ

だいたい5人から9人くらいですね。各スクワッドが特定の機能やプロダクト領域にエンドツーエンドで責任を持つんです。さらに「トライブ」という横断的な組織で知見を共有して、スピードと全体の整合性を両立させている。

ミカ

へえ、面白いですね。小さいチームだから意思決定が早くて、でも横のつながりもあるから全体としてバラバラにならないと。

タカシ

その通りです。次にスタートアップの話をしましょう。さっき触れた5つの類型ですが、エンジニア型、コミットメント型、官僚型、スター型、独裁型があります。この中で最も失敗率が低かったのがコミットメント型なんです。

ミカ

コミットメント型って、どういう特徴があるんですか?名前だけだとちょっとイメージが湧かなくて。

タカシ

コミットメント型は「この会社のカルチャーやチームが好きだから働く」という帰属意識を軸にした組織です。採用でもスキルだけじゃなくてカルチャーフィットを重視する。メンバーが「ここにいたい」と思える組織は、やっぱり強いんですよ。

ミカ

なるほど、スキルの高さよりも、組織との相性のほうが長期的には大事ということなんですね。これは経営者としてすごく参考になる視点ですね。

Chapter 4

よくある失敗パターン ― 構造をいじるだけでは変わらない

タカシ

さて、ここからは組織設計でよくある失敗パターンを見ていきましょう。これ、実は多くの経営者が陥るんですが、業績が悪化したときに「組織構造をいじる」「責任者を入れ替える」という対処に走ってしまうケースがあります。

ミカ

あ、それありそうですね。うまくいかないから部署を再編しよう、とか、部長を交代しよう、みたいな。

タカシ

はい。でも戦略が不明確なまま構造だけ変えても、本質的な解決にはならないんです。7Sの話を思い出してください。ハード面だけ変えてもソフト面が変わらなければ意味がない。

ミカ

確かに。他にもよくある失敗ってありますか?

タカシ

もう一つ大きいのが、既存事業の型を新規事業にそのまま当てはめてしまうパターンです。既存事業は効率重視の管理体制が合いますが、新規事業には探索的な組織が必要なんです。同じ評価制度、同じ報告体制を押し付けると、イノベーションの芽を摘んでしまう。

ミカ

うわ、それはやりがちですね。会社のルールだから全部署同じ、みたいに考えちゃいますもんね。事業のフェーズによって組織の形も変えるべきなんだ。

タカシ

そうなんです。あと、形だけの組織改革も危険です。経営層だけで決めて、現場の自発性を引き出さない改革は定着しません。リーダーシップ、戦略、文化、組織デザインの4つの要素をバランスよく変えていくことが大切なんです。

ミカ

一つだけ変えてもダメってことですね。全体のバランスが大事。皆さんが経営者だったら、自分の会社はどの失敗パターンに当てはまりそうか、ちょっと考えてみてください。

Chapter 5

クロージング ― 明日からできるアクション

タカシ

では最後に、明日から実践できるアクションをまとめましょう。まず一つ目、現在の組織で「誰がどの意思決定をしているか」を書き出してみてください。ボトルネックが見えてきます。

ミカ

意思決定の見える化ですね。紙に書くだけでも発見がありそう。

タカシ

二つ目は、意思決定の権限一覧表をつくること。各レイヤーで判断できる範囲を明文化するだけで、組織のスピードがぐっと上がります。三つ目は、チームのサイズを見直すこと。一つの目的に対してエンドツーエンドで責任を持てるサイズ、目安は5人から9人です。

ミカ

5人から9人。Spotifyのスクワッドもそのくらいでしたもんね。理論と実践がつながってきますね。

タカシ

そして最後に、組織変更をする前には必ず「この変更で解決したい戦略課題は何か」を言語化すること。これだけで、構造いじりの罠を避けられます。

ミカ

今日は組織設計について深く学べました。組織図を変えるだけじゃなくて、戦略とセットで考えるのが大事なんですね。ぜひ自分の事業に当てはめて考えてみてください。それではまた次回お会いしましょう。

タカシ

ありがとうございました。次回もお楽しみに。