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Episode 71

コミュニケーション設計 ― 組織の「血流」を意図的につくる

13分 5チャプター 日本語
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Chapter 1

オープニング ― 8割の企業が抱える課題

タカシ

皆さんこんにちは、タカシです。今日のテーマは「コミュニケーション設計」。組織の中で情報がどう流れるかを意図的にデザインする、という話です。

ミカ

ミカです。コミュニケーション設計かあ。なんとなく大事そうだけど、具体的にどういうことなんでしょう?

タカシ

実はですね、HR総研の調査によると、8割以上の企業が社内コミュニケーションに課題を感じているんです。8割ですよ。つまりほとんどの会社がうまくいっていない。

ミカ

え、8割!そんなに多いんですか。逆にうまくいっている2割の方が珍しいということですよね。

タカシ

そうなんです。そして面白いのが、雑談を意図的に促進している企業の7割が効果を実感しているというデータもある。つまり、設計するかしないかで結果が大きく変わるんですね。今日はこの「設計」にフォーカスしてお話しします。

Chapter 2

コミュニケーション設計とは何か ― 5つの基本要素

ミカ

じゃあまず基本から聞きたいんですけど、コミュニケーション設計って具体的に何を設計するんですか?「ちゃんと話しましょう」みたいなことではないですよね?

タカシ

いい質問ですね。コミュニケーション設計の本質は「情報が必要な人に、適切なタイミングで、適切な粒度で届く仕組みを作ること」なんです。よく組織のコミュニケーションは「血流」に例えられます。

ミカ

血流!なるほど、血が止まったら体が動かなくなるように、情報が止まったら組織も動かなくなるってことですね。

タカシ

まさにそうです。具体的には5つの要素を設計します。まず「誰が」つまり発信者と責任者。次に「誰に」、届けるべき対象。そして「何を」、情報の種類と粒度ですね。

ミカ

ふむふむ。誰が、誰に、何を。あと2つあるんですよね?

タカシ

はい。4つ目が「いつ」、定例なのか即時なのかトリガー型なのか。最後が「どのように」、対面かチャットか文書か会議か。この5つを組み合わせて設計するんです。

ミカ

5W1Hみたいですね。でも考えてみると、多くの会社ではこういうことって「なんとなく」で回っている気がします。

タカシ

そこがまさにポイントなんです。自然発生に任せると、情報の断絶やノイズが増えるんですよ。必要な情報が届かない人がいたり、逆に不要な情報が大量に飛んできたり。意図的な設計が必要な理由はそこにあります。

Chapter 3

成功事例に学ぶ ― カルビーと社内SNS

ミカ

理屈はわかったんですけど、実際にうまくいった会社の例を聞きたいです。具体的にどんなことをしたんでしょう?

タカシ

有名な事例でいうと、カルビー株式会社ですね。2009年からフリーアドレス制を導入したんです。固定のデスクをなくして、毎日違う場所に座る。

ミカ

フリーアドレスって最近よく聞きますけど、2009年からってかなり早いですよね。それでどんな効果があったんですか?

タカシ

部署間の物理的な壁がなくなったことで、普段接点がない人同士の会話が自然に生まれるようになったんです。結果として組織文化がよりフラットで開放的になった。これはまさにコミュニケーション設計の一例ですよね。

ミカ

へえ、オフィスのレイアウトを変えることもコミュニケーション設計なんですね。ツールだけの話じゃないんだ。

タカシ

そうなんです。もう一つ面白い事例があって、社内SNSを導入した企業では、従来1週間かかっていた問題解決が3日に短縮されたというケースがあります。部署を超えた情報共有のスピードが劇的に上がったんですね。

ミカ

1週間が3日に!それは大きい。でもただSNSを入れただけじゃなくて、ちゃんと使い方の設計もしたんですよね?

タカシ

その通りです。ツールを入れただけでは意味がない。どんな情報をどこに投稿するか、誰がどう反応するか、そういったルールと文化を一緒に設計したからこそ効果が出たんです。

Chapter 4

よくある失敗パターン ― 5つの落とし穴

ミカ

成功事例を聞いたので、今度は逆に失敗パターンも知りたいです。やっちゃいけないことって何でしょう?

タカシ

よくある失敗パターンが5つあります。まず1つ目は「ツール導入が目的化する」こと。SlackやTeamsを入れただけで改善した気になってしまう。でもツールは手段であって、運用ルールや文化の設計が伴わないと情報の洪水になるだけなんです。

ミカ

あー、それはわかります。チャンネルが100個もあって、どこに何を書けばいいか誰もわからない、みたいな状態ですよね。

タカシ

まさにそれです。2つ目は「トップダウンの一方通行」。経営層からの発信はあるけど、現場からのフィードバック経路がない。これだと問題が隠蔽されて経営判断の質が下がります。

ミカ

一方通行だと現場は「どうせ言っても変わらない」って思いますよね。それが諦めにつながって、最悪離職の原因にもなりそう。

タカシ

その通りです。3つ目は「会議の乱立」。目的もアジェンダもない会議が惰性で続く。4つ目は「情報格差の放置」で、特定のチームだけが情報を持っていて他は知らない状態。部門間の不信感を生みます。

ミカ

情報格差って、意図してないのに自然にできちゃうものですよね。で、5つ目は?

タカシ

5つ目が一番重要かもしれません。「人の問題にすり替える」こと。あの人はコミュニケーションが下手だ、と個人のせいにするんですが、実際は情報フローの構造に問題があることが多いんです。

ミカ

なるほど!人を責めるんじゃなくて仕組みを見直す。それが設計という考え方なんですね。目から鱗です。

Chapter 5

クロージング ― 明日からできるアクション

タカシ

最後に、リスナーの皆さんが明日からできるアクションを3つお伝えします。まず1つ目、情報フローの棚卸し。今の組織で誰が誰に何を伝えているかを可視化してみてください。抜け漏れや重複が必ず見つかります。

ミカ

まず現状を知ることが大事なんですね。紙に書き出すだけでも発見がありそう。

タカシ

2つ目は、すべての定例会議について「この会議のアウトプットは何か」を明文化すること。答えられない会議は廃止を検討してください。そして3つ目、非公式コミュニケーションの場を意図的に作ること。シャッフルランチや雑談タイムでOKです。

ミカ

どれもすぐにできることばかりですね。特に会議の見直しは、やるだけで時間が生まれそうで一石二鳥です。

タカシ

コミュニケーション設計は一度作って終わりではなく、組織の変化に合わせて継続的に見直すものです。ぜひ自分の組織の血流を点検してみてください。今日も聞いてくださってありがとうございました。

ミカ

ありがとうございました!コミュニケーションは仕組みで変えられる、というのが今日一番の学びでした。皆さんもぜひ試してみてくださいね。それではまた次回お会いしましょう!