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Episode 92

他責と自責 ― 問題の原因をどこに求めるかで組織は変わる

13分 5チャプター 日本語
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Chapter 1

オープニング:没落企業の経営者に共通するある特徴

タカシ

みなさんこんにちは、経営学習ポッドキャストのタカシです。今日もミカさんと一緒にお届けしていきます。今回のテーマは「他責と自責」。問題が起きたとき、その原因をどこに求めるかというお話です。

ミカ

よろしくお願いします!他責と自責、なんとなくわかるようでちゃんと考えたことがないテーマかも。他人のせいにするか自分のせいにするか、ってことですよね?

タカシ

そうそう。でね、いきなり驚きの事実なんですが、企業再生の専門家が倒産寸前の会社の幹部にヒアリングすると、ほぼ全員が「営業が売らないから」「製造が悪い」「人事のせいだ」って、他責のオンパレードになるんですよ。

ミカ

えっ、全員が他人のせいにしてるんですか?それは確かに会社が傾きそうですね……。逆に業績が回復していく会社はどうなんですか?

タカシ

面白いことに、回復が始まる会社では「じゃあ自分たちに何ができるか」っていう自責ベースの議論に自然と変わっていくんです。つまり、他責と自責の使い方が組織の命運を分けるということなんですね。今日はそのあたりを深掘りしていきましょう。

Chapter 2

他責思考と自責思考の基本

タカシ

まず基本から整理しましょう。自責思考というのは「結果に対する責任は自分にある」と捉えて、自分に何ができるかを考え抜く姿勢のことです。一方、他責思考は問題の原因を他者や環境のせいにする考え方ですね。

ミカ

なるほど。じゃあ経営では常に自責であるべきなんですか?「全部自分のせいだ」って思い続けるのも、なんだかしんどそうですけど……。

タカシ

いい質問ですね。実はそこが一番大事なポイントで、どちらか一方に偏ることが危険なんです。他責ばかりだと改善が進まないし、過度な自責はメンタルヘルスの不調や燃え尽きを招くことがわかっています。

ミカ

へえ〜、自責もやりすぎるとダメなんですね。じゃあどうバランスを取ればいいんですか?

タカシ

カギは「自分がコントロールできる範囲」を見極めることです。景気や法規制の変化みたいな外部要因は、正直どうしようもない。でも「その状況の中で自分たちに何ができるか」は考えられますよね。そこに集中するのが健全な自責思考なんです。

ミカ

あー、なるほど!全部自分のせいって自分を責めるんじゃなくて、「自分にできることにフォーカスする」ってことなんですね。それなら前向きですね。

Chapter 3

実務で起きる他責と自責の問題

タカシ

では実際の経営現場で何が起きるか、具体的に見ていきましょう。よくある失敗パターンが3つあるんですが、まず1つ目は「他責の蔓延」。部門間で責任を押し付け合って、誰も改善に動かない状態です。

ミカ

それ、なんとなく想像できます。「うちの部署は悪くない、あっちの部署が問題だ」みたいな。でもそれだと永遠に解決しないですよね。

タカシ

その通り。没落していく企業の経営者には「事業がうまくいかないのはスタッフが能力を発揮しないからだ」「採用が進まないのはエージェントが良い人材を推薦しないからだ」と、すべてを他人のせいにする共通パターンがあるんです。

ミカ

うわ、それは怖いですね。自分がそうなっていないかドキッとする経営者の方もいるんじゃないですか?2つ目の失敗パターンは何ですか?

タカシ

2つ目は逆に「過度な自責の強要」です。上司が部下に「すべてお前の責任だ」と迫るケース。本来は仕組みや環境の問題なのに、個人を追い詰めてしまう。これ、離職やメンタル不調の原因になるんですよ。

ミカ

それは辛いですね……。仕組みの問題を個人のせいにされたら、頑張りようがないですもんね。例えばどんなケースがありますか?

タカシ

例えば、営業ツールが古くて非効率なのに「数字が上がらないのはお前の努力不足だ」と言われるとか。あるいは、教育制度が整っていないのに「なぜできないんだ」と責められるとか。これは仕組みを変えるべき問題なのに、個人に自責を求めている典型です。

ミカ

なるほど、マネージャー側が「自分の仕組みづくりの問題だ」と自責で考えるべきところを、部下に押し付けちゃってるわけですね。3つ目はどうですか?

タカシ

3つ目は「自責と反省の混同」。これは...なんというか...「自分が悪い」と自分を責めるだけで、具体的な改善行動に繋がらないパターンです。自責の目的は犯人探しじゃなくて、次にどう動くかを考えることなんですよ。

ミカ

あー、それすごく大事ですね!「自分が悪かった」で終わるんじゃなくて、「次はこうしよう」まで行かないと意味がないってことですね。

Chapter 4

自責思考を組織に根付かせるために

タカシ

ここからは、じゃあ実際にどうすれば健全な自責思考を組織に根付かせられるか、というお話をしていきます。面白い事例があって、パナソニックでは社員有志が「One Panasonic」という活動を立ち上げたんですね。

ミカ

パナソニックで?大企業でもそういう動きがあるんですね。それはどんな活動だったんですか?

タカシ

トップダウンではなく、社員の内発的動機、つまり「自分がやりたいからやる」という自責的な行動から始まった活動で、多くの社員のモチベーションが向上して、組織にポジティブな変化をもたらしたんです。これがまさに健全な自責思考の好例ですね。

ミカ

「やらされている」じゃなくて「自分がやりたいからやる」。その違いって大きいですよね。でも、具体的に明日からどうすればいいか、皆さん気になると思うんですが。

タカシ

まず一つ目のアクションとして、問題が起きたら「自分がコントロールできることは何か」を書き出してみてください。紙でもメモアプリでもいい。可視化することで、感情的に「あいつが悪い」となるのを防げます。

ミカ

書き出す、いいですね!確かに頭の中だけだと感情に流されちゃいそう。他にもありますか?

タカシ

チームの会議で他責的な発言が出たら、「では、自分たちにできることは何だろう?」とリフレーミングしてみてください。これは魔法の質問で、議論の方向が一気に建設的に変わります。あと、マネージャーの方は要注意で、過度な自責で潰れそうなメンバーがいないかも観察してほしい。

ミカ

「自分たちにできることは何だろう?」っていいフレーズですね。誰かを責めるんじゃなくて、前に進むための問いかけ。皆さんもぜひ使ってみてください!

タカシ

そしてもう一つ大事なのが、失敗の振り返りでは「誰が悪いか」ではなく「仕組みとして何を変えるか」に焦点を当てること。これを組織のルールにするだけで、他責の文化は大きく変わりますよ。

Chapter 5

クロージング:今日のまとめと実践のヒント

ミカ

今日は「他責と自責」について学びました。タカシさん、最後にポイントをまとめていただけますか?

タカシ

はい。今日のポイントは3つ。一つ目、他責の蔓延は組織を停滞させる。二つ目、ただし過度な自責も人を潰す。三つ目、大事なのは「自分がコントロールできることに集中する」という健全な自責思考のバランスです。

ミカ

私が一番印象に残ったのは「自責の目的は犯人探しじゃなくて、次にどう動くかを考えること」っていう言葉です。明日からの仕事で意識してみたいと思います!

タカシ

いいですね。皆さんも、問題が起きたときにまず「自分にできることは何か」を書き出すところから始めてみてください。きっと組織の空気が変わり始めますよ。それでは、また次回お会いしましょう。

ミカ

ありがとうございました!次回もお楽しみに!