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Chapter 1 オープニング:叱ってくれないから辞めます
みなさんこんにちは、タカシです。今日のテーマは「注意の仕方」。経営者やマネージャーにとって、避けては通れないスキルについてお話ししていきます。
ミカです。注意の仕方...これ、苦手な人多いですよね。私も人に注意するのってすごく気を使います。
そうなんです。で、いきなりですが驚きの事実を一つ。ある銀行で若手社員の離職理由を調査したところ、「先輩や上司が叱ってくれない」というのが上位に入っていたんですよ。
えっ、叱られたくないんじゃなくて、叱ってほしかったんですか?それは意外ですね。注意しないことが優しさじゃないってことですか?
まさにそうなんです。注意しないというのは、一見優しそうに見えて、実は相手の成長機会を奪っている。今日はこの「注意の仕方」を正しく身につけるための考え方と実践法をお伝えしていきます。
Chapter 2 注意の基本原則:人格ではなく行動にフォーカスする
まず注意の基本原則なんですが、一番大事なのは「人格を否定しない」ということ。注意の目的は相手を正すことではなくて、行動を改善してもらうことなんですね。
行動を改善してもらう、ですか。具体的にはどういう違いがあるんですか?「君はだらしない」とか言っちゃダメってことですよね?
そうそう。「君はだらしない」は人格への攻撃です。でも「提出期限を3回続けて超過している」と言えば、それは行動への指摘になる。同じことを伝えていても、相手の受け取り方がまったく違うんです。
なるほど。確かに「だらしない」って言われたら反発しちゃいますけど、「3回超過してる」って事実を言われたら、自分でも「確かに...」ってなりますね。
ここで使えるフレームワークがあって、SBIモデルというものです。Situation、Behavior、Impact。つまり、状況・行動・影響の3つを整理してから伝えるんです。
SBIモデル。えーと、状況と行動と影響ですね。具体的にはどう使うんですか?
例えばこんな感じです。「先週の会議で」が状況、「クライアントの質問に曖昧な回答をしていたけど」が行動、「先方の信頼度が下がった印象がある」が影響。この3点セットで伝えると、何が問題で、なぜ改善が必要なのかが明確になるんですね。
おお、すごくわかりやすい。ただ単に「あの対応よくなかったよ」って言われるよりも、何をどう直せばいいかが見えてきますね。
Chapter 3 実務での伝え方:タイミング・場所・相手に合わせる
さて次は、実際に注意するときの「伝え方」についてです。ここが経営の現場では一番難しいところかもしれません。ポイントは3つ。タイミング、場所、そして相手のタイプです。
3つもあるんですね。まずタイミングから教えてもらえますか?
タイミングは「できるだけ早く」が鉄則です。問題行動から時間が経つほど、言い出しにくくなるし、相手も「なぜ今さら?」と感じる。それに記憶が薄れるので、具体的な話ができなくなるんですよ。
確かに、半年前のことを急に言われても困りますよね。場所はどうですか?
ネガティブなフィードバックは必ず一対一の場で伝えてください。会議中とか、チャットの全体チャンネルで注意するのは絶対にダメです。人前で注意すると相手は「恥をかかされた」と感じて、内容が頭に入らなくなります。
ああ、それはわかります。私も人前で注意されたらもう内容どころじゃなくなると思います。恥ずかしさと怒りで頭がいっぱいになりそう。
そうなんです。そしてチーム全体の心理的安全性も壊れてしまう。「次は自分がああなるかも」って周りも萎縮するんですね。で、3つ目。相手のタイプに合わせるということ。
相手のタイプに合わせるって、同じ注意でも人によって言い方を変えるってことですか?
その通りです。例えば、凹みやすい部下には良い点を先に伝えてから改善点を後に持ってくる。一方で、自信過剰なタイプには事実とデータで率直に伝えた方がむしろ響く場合がある。画一的な注意の仕方では効果が出ないんです。
なるほど、相手をよく観察して、その人に合ったやり方で伝えるわけですね。マネジメントって本当に奥が深いなあ。
Chapter 4 よくある失敗パターンと松下幸之助の教え
ここで、よくある失敗パターンについても触れておきたいと思います。実は多くの経営者やマネージャーが同じミスを繰り返しているんですよ。
失敗パターン、気になります。どういうものがあるんですか?
一番多いのが、感情的になってしまうこと。怒りに任せて叱ると、相手は萎縮するだけで改善につながりません。カッとなったときは、一呼吸置いてから伝える。冷静さを保てないなら、時間を置くべきです。
感情的になるのは逆効果なんですね。でも実際、イラっとしたときってつい言っちゃいそうですよね。
そうなんです。もう一つの大きな失敗は、注意を避け続けること。冒頭でお話しした銀行の例もそうですが、言いにくいからと先送りすると問題が常態化する。後から指摘しても「今まで何も言わなかったのに」と反発されてしまうんです。
なるほど。注意しすぎてもダメ、しなさすぎてもダメ。バランスが大事なんですね。ちなみに、上手に注意できる人ってどんなやり方をしてるんですか?
いい質問ですね。ここで松下幸之助のエピソードを紹介させてください。パナソニックの創業者ですが、彼は部下を厳しく叱ることで有名でした。でも叱った後に必ずこう伝えていたそうです。「君ならやってくれると思っていた。今でもそう思っているよ」と。
へえ〜、叱った後に期待を伝えるんですね。それを聞いた部下は、期待に応えたいって思いますよね。ただ怒られて終わりじゃなくて、信頼があるからこそ叱る。
まさにそうです。注意というのは、相手への期待の裏返しなんですね。「あなたにはもっとできるはずだ」というメッセージが根底にあるからこそ、叱られた側も前向きに受け止められる。ここが注意と単なる批判の決定的な違いです。
Chapter 5 クロージング:明日から実践できるアクション
では最後に、今日の内容をまとめましょう。注意の仕方で大事なのは3つ。一つ目、人格ではなく行動にフォーカスする。SBIモデルで状況・行動・影響を整理してから伝える。
状況・行動・影響の3点セット。これはすぐ使えそうですね。
二つ目、タイミング・場所・相手のタイプを意識する。早めに、一対一で、相手に合った言い方で。三つ目、日頃から信頼関係を築いておく。普段から感謝や承認を言葉にしているからこそ、注意も受け入れてもらえる。
信頼関係が土台にないと、注意しても「批判された」としか受け取ってもらえないんですもんね。日頃の関係作りが大事。
皆さんへのアクションとしては、まず次に誰かに注意する場面が来たら、伝える前にSBIモデルで内容を整理してみてください。状況、行動、影響の3つを紙に書き出すだけでも、伝え方がぐっと変わるはずです。
紙に書き出す、いいですね。頭の中だけだと感情に引っ張られちゃいそうですけど、書くと整理できそうです。今日もたくさん学びがありました!
注意するのは勇気がいることですが、それは相手の成長を願う行為です。ぜひ恐れずに、でも丁寧に実践してみてください。それでは、また次回お会いしましょう。ありがとうございました。
ありがとうございました!次回もお楽しみに。